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マウントされているファイルシステムの情報を動的に記録するファイル/etc/mtab
について説明します!
/etc/mtabファイルとは
/etc/mtab
ファイル は、システムに現在マウントされているファイルシステムの情報を動的に記録するファイルです。ユーザーや管理者がマウントされたファイルシステムに関連する情報を取得したりする際に使用されます
/etc/mtabファイルの役割
- 現在マウントされているファイルシステムの記録
/etc/mtab
は、システム上の現在のマウント状態を反映し、マウントされたすべてのファイルシステムの詳細情報を記録しています - ユーザー権限のツールによる利用
mount
やumount
コマンドによって、このファイルの内容が参照され、システムの現在のマウント状態を知ることができます
/etc/mtabの内容
/etc/mtab
ファイルはテキストファイルで、各行に一つのファイルシステムの情報を記述します。各行は以下のフィールドから構成されます
<デバイス> <マウントポイント> <ファイルシステムタイプ> <オプション> <ダンプ> <パス>
各フィールドの説明
- デバイス: マウントされたデバイス名またはネットワークファイルシステムの指定
- マウントポイント: ファイルシステムがマウントされているディレクトリ
- ファイルシステムタイプ: 使用されているファイルシステムの種類(例:ext4、xfs、nfs、vfat)
- オプション: ファイルシステムのマウント時に使用されたオプションのリスト
- ダンプ:
dump
コマンドによるバックアップの有無(通常は未使用) - パス:
fsck
によるファイルシステムチェックの優先順位(通常は未使用)- パスフィールドの値の意味
- 0:
fsck
によるチェックを無効化(ファイルシステムチェックを実行しない) - 1: 最初にチェックされるべきファイルシステムを指定します。通常、ルートファイルシステム(
/
)がこの値を持ちます - 2: 他のファイルシステム(ルート以外のファイルシステム)が指定され、1 の次にチェックされます。複数のファイルシステムが「2」の値を持つ場合、それらは並行してチェックされます
- 0:
- パスフィールドの値の意味
/etc/mtabの内容例
以下は、 /etc/mtab
ファイルの内容の一例です
/dev/sda1 / ext4 rw,relatime,errors=remount-ro 0 1
tmpfs /run tmpfs rw,nosuid,nodev,mode=755 0 0
/dev/sdb1 /mnt/data xfs rw,relatime,attr2,inode64,noquota 0 0
説明
/etc/mtab
ファイルの各行について簡単に説明します
- /dev/sda1 / ext4 rw,relatime,errors=remount-ro 0 1
- /dev/sda1: ルートファイルシステムのデバイス名
- /: マウントポイント(ルートディレクトリ)
- ext4: 使用されているファイルシステムの種類
- rw,relatime,errors=remount-ro: マウントオプション(読み書き可能、アクセス時間の更新、エラー発生時の再マウント)
- tmpfs /run tmpfs rw,nosuid,nodev,mode=755 0 0
- tmpfs: 仮想メモリファイルシステム
- /run: マウントポイント
- rw,nosuid,nodev,mode=755: マウントオプション(読み書き可能、SUID無効、デバイスファイル無効、ファイルやディレクトリ作成時のデフォルトのアクセス権は755)
- /dev/sdb1 /mnt/data xfs rw,relatime,attr2,inode64,noquota 0 0
- /dev/sdb1: デバイス名
- /mnt/data: マウントポイント
- xfs: 使用されているファイルシステムの種類
- rw,relatime,attr2,inode64,noquota: マウントオプション(読み書き可能、アクセス時間の更新、attr2とinode64を使用、クォータ無効)
/etc/mtabと/proc/mountsの違い
/etc/mtab
ファイルと同じように現在のマウント状態を記録するファイルがあります
/proc/mounts
というファイルです。/proc/mounts
は、カーネルが提供する仮想ファイルで、システム上の現在のマウント状態をリアルタイムで表示します
/proc/mounts と /etc/mtab の特徴
特徴 | /proc/mounts | /etc/mtab |
---|---|---|
役割 | カーネルによって提供される仮想ファイルシステムのマウント情報 | ユーザー空間で管理されるマウント情報ファイル |
更新タイミング | カーネルによってリアルタイムに自動更新 | mount やumount コマンドで手動更新 |
内容の正確性 | 常に最新の状態を反映し、システムの実際のマウント状態 | 時間経過やエラーによるアンマウントなどで、情報が古くなる可能性あり |
編集可能性 | 読み取り専用(編集不可) | 一部のツールや手動で編集可能 |
用途 | システム全体の正確なマウント状況の確認 | ユーザー空間でのツール利用向け |
ファイルシステム | 仮想ファイルシステム(procfs)の一部 | 実ファイルとして存在する |
主な使用ツール | df 、mount 、umount 、カーネル内部プロセス | mount 、umount など |
依存関係 | システムのカーネルに依存 | /proc/mounts を参照することもある |
システム再起動 | 再起動後も常に最新状態を表示 | 再起動後に情報がリセットされる場合がある |
/etc/mtabの管理と注意点
- 自動更新
mount
やumount
コマンドの使用により、/etc/mtab
は自動的に更新されます。なので手動で直接の編集は不要です
- バックアップ
- システムの変更やトラブルシューティングの前には、
/etc/mtab
をバックアップしておくとよいでしょう
- システムの変更やトラブルシューティングの前には、
- アンマウントの確認:
- ファイルシステムをアンマウントする際には、
/etc/mtab
から対象のファイルシステムの情報が削除されていることを確認してください
- ファイルシステムをアンマウントする際には、
まとめ
/etc/mtab
ファイルは、システム上の現在のマウント状態を記録し、ユーザーやシステム管理者が簡単に把握できるようにするためのファイルです
以上です!
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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